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VOCALISA SLAVIC WOMENS CHOIRを買ってみました

試しに使ってみたデモ曲です

VOCALISA SLAVIC WOMENS CHOIRについて

VOCALISA SLAVIC WOMENS CHOIRは、サウンドデベロッパーであるIMPACT SOUNDWORKSによって開発された、女性合唱で構成されるブルガリアの伝統的な民族音楽である「ブルガリアンヴォイス」が収められたクワイア音源です。

発売されたのは2014年7月なので、かなり前から存在する音源ですね。

IMPACT SOUNDWORKSのECサイトでも購入できますが、SONICWIREや他のECサイトでも販売されています。

ソフト音源の販売ではよくあることですが、ECサイトによってかなり大規模なセールが行われていたりするので、購入先が分散するのが嫌とか、製造元に極力還元したい、ということが無ければ色んなECサイトを探し回ってみるのも良いかもしれません。

ブルガリアンヴォイスについて

ブルガリアンヴォイスは民族音楽ということもあって、ブルガリア語の独特な発音、発声があったり、不協和音でありつつもクワイアという体系的な性質もあって、それがちゃんと成立しているところが非常に魅力的に思えます。

私が初めてブルガリアンヴォイスを聴いたのは1998年にスクエアが発売したゲーム「ゼノギアス」の「神に牙むくもの」という楽曲で、作曲者は同じくスクエアから発売されたゲーム「クロノ・トリガー」や「クロノ・クロス」で作曲を担当している光田康典さんです。

ゲーム音楽に興味がある方はご存知の方も多いと思いますが、光田さんの曲はケルティックだったりスラビックだったり、民族音楽、伝統音楽を取り込んだ曲が多く、ブルガリアンヴォイスのような民族音楽が好きな人は惹かれる曲が多いと思います。

他にブルガリアンヴォイスが採用されている作品で有名なのは、1995年に公開された劇場版のGHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊ですね。

攻殻機動隊でブルガリアンヴォイスを初めて聴いたという人は結構多いと思います。

もう最近とも言えませんが、2016年にリオデジャネイロ・オリンピックの閉会式(東京オリンピックへの引き継ぎ式)で流れた「君が代」もブルガリアンヴォイスを取り入れたアレンジですね。

このアレンジの発案者は椎名林檎さんみたいですが[1]、国を挙げての行事で国歌にブルガリアンヴォイスのアレンジを取り入れるという大胆さは驚嘆です。

歌唱の技法である「こぶし」などは日本の伝統的な歌唱とブルガリアンヴォイスの共通点だったりするみたいですが、こういうシーンだと日本らしく日本らしくと発想が縮こまりそうなもんですが。

ということで、日本国内においても20年以上前から取り入れらており、昨今でも使用されている、割と馴染み深い民族音楽と言えるのがブルガリアンヴォイスだと思います。

音源を購入するにあたり

VOCALISAの音源を使用する際は、Native Instruments社のKONTAKT(2021年7月時点の最新バージョンは6)を起動してVOCALISAの音源を読み込み、DAWのトラックにインストゥルメントとしてKONTAKTを設定することで使用できます。

したがって、音源と KONTAKTを用意する必要があります。

尚、無償版のKONTAKT PLAYERでは読み込み自体はできるみたいですが、デモ用としてしかVOCALISAを使うことができず、機能制限がかかって15分ぐらいで使用できなくなるみたいですので、VOCALISAとは別にKONTAKTを購入する必要があることに注意してください。

KONTAKT単体でも¥50,000以上しますが、同じくNative Instruments社の音源パッケージであるKOMPLETE(2021年7月時点の最新バージョンは13)にバンドルされていますので、KOMPLETEを購入した方が良いです。

当然、KONTAKTよりもKOMPLETEの方が高額ですが、割とセールをしてることが多いのでKONTAKTとそれほど大差無い金額でKOMPLETEを購入できると思います。

KOMPLETEには以下の4種類のパッケージがあり、機能、音源の豊富さと販売価格の高さは以下の順番です。

KOMPLETE SELECT < KOMPLETE < KOMPLETE ULTIMATE < KOMPLETE ULTIMATE Collector’s Edition

ここでも注意ですが、一番安いKOMPLETE SELECTにはKONTAKTがバンドルされていませんので、VOCALISAなどのKONTAKTでしかフルスペックで動かない音源を使いたい場合にはKOMPLETE以上のパッケージを購入しましょう。

音源を使うまでの流れ

VOCALISAを使うまでの流れはざっくりと以下の通りです。

①VOCALISA購入

②ダウンローダ「PULSE」をインストール

③PULSEを起動してVOCALISAをダウンロード

④DAWのトラックにKONTAKTを設定

⑤KONTAKTでVOCALISAを読み込み

恐らくですが、どのECサイトでVOCALISAを購入した場合でもアカウントとして設定したメールアドレス宛にシリアルナンバーやマニュアルが送付されると思いますが、届いたメールだけではまだ音源をダウンロードすることは出来ません。

VOCALISAの場合はPULSEというダウンローダをPCにインストールし、PULSEから音源をダウンロードすることになります。

VOCALISA購入時にPULSEのマニュアルも付属されていると思いますのでそれに従って操作すればダウンロードできると思います。

音源としてはそれほど大きい容量でも無いですが、外付けディスクに音源を移動した方が良いです。

PULSEにはファイルマネージャの機能もあるので、PULSEでダウンロードした音源が保存されているパスを紐付けておくことができ、音源を適当な場所に移動した場合にはPULSE側で移動先のパスを設定しておけばすぐに音源の場所を探せます(KONTAKTで音源を読み込む時に音源の保存場所を忘れてると面倒です)。

後はDAWを起動したらトラックを追加、追加したトラックにインストゥルメントとしてKONTAKTを設定し、KONTAKTでVOCALISAの音源が保存してあるパスを選択すると、KONTAKTで読み込めるVOCALISAの音源が複数表示されるので、好きな音源を選んで設定します(以下の画像はCubaseでの使用例)。

Vocalisa導入

後はDAW側でMIDI入力すればちゃんと音源が再生されると思います。

音源を使ってみて

クワイア音源ということもあって合唱で使うようなフレーズしか使えないので、VOCALOIDみたいに歌詞を歌わせたりすることは当然出来ないのですが、まさにブルガリアンヴォイスって感じのフレーズはちゃんと用意されているので、クワイア音源としての使い勝手は良いように思います。

また、デモ曲の中でも使っていますが、タップやクラップ、呼吸音などもあるので、クワイア以外にも用途はありそうです。

1つのクワイア音源で1オクターブしか使用できないので結構キーが狭いのですが、オクターブ下の音源もあるのでキーが狭すぎるという程でも無いです。

同じフレーズを使うのに2つの音源を設定しないといけないのでやや面倒ではありますが。

せっかく購入したので、積極的に今後は使用したいです。

参考

[1] SPICE:日本中が驚嘆した「君が代」アレンジ その舞台裏とクリエイティブの真実